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農業起業の経緯と設定した目標について
大分県豊後大野市三重町
木本恭輔

木本恭輔
なぜ農業起業を目指したのか

  皆さんには笑われるかも知れません。 
 子供の頃に誰もが抱く将来の夢(たとえばプロ野球選手、サッカー選手、消防士など)が私の場合、『お百姓さん』でした。小学校の友人に農家の子がおり、家に遊びに行っては簡単な手伝い(麦踏や田植え、芝刈り)を楽しんでいました。そこの家には当時コマーシャルで誰もが知っていたヤンマー農機の ♪「燃える男のあーかぁいトラクタぁー」があってそれを運転するおじさんがかっこよく、自分もなりたいとの思いが始めでした。

  
起業の経緯

 残念ながら学校を卒業して就いた職業は農業ではありませんでした。農業のことは気にはなっていたのですが、どうやったらお百姓さんになれるのか全く調べもせず、夢は夢、とあきらめてしまったというのが本当のところです。会社に勤めて生活し、結婚し、子供を授かりいつしか農業のことは忘れていました。40歳になっていました。
 リーマンショックで会社の業績が落ち込みリストラされ無職となり、ハローワーク通いの中で職業訓練で農業やりませんか!!のパンフレットが目に飛び込みました。失業保険を受給しながら農業を学ぶことができるというものでした。子供の頃に帰りました。家族に「職業訓練で大分県農業大学校にいって農業の勉強してお百姓さんやりたい。」と相談しましたが、妻は、私のテンションとは逆さまに冷たく「やってみればいいんじゃないの、私はできんよ。」でした。それでも、早速申し込み無事受講許可となり晴れて大分県立農業大学校研修部就農準備研修生となりました。
 農業の研修は上記の就農準備研修(6ヶ月)と同校研修部テストファーム研修(1年)を受講しました。就農準備研修とは、農業の基礎を学ぶ研修でした。種まきや鍬の持ち方からトラクター操作など農業には欠かせないことを学ぶ研修です。全くの素人であった自分でも半年たつ頃には手足がきちんと動くようになりました。今、農業に取り組んでいる自分があるのは、この研修のおかげであるといっても過言ではありません。
  『できるかも!!』を実感した楽しい研修でした。
 テストファーム研修とは、上記の『できるかも!!』を『できるぞ!!』に変える研修でした。品目を選び実際に生産し販売し収入を得る、これを自分の力でやってみるものでした。1年間研修を受け、農家の生活リズムや収支計算などできるようになりました。家族もこの頃には理解をしてくれるようになり、土日休日は一緒に実習圃場で作業をし、出荷に行くようになりました。研修中に、農大を通じて県や市、農協などと連絡を取ることができ、そこから独立起業の援助をもらいました。農地や住宅、資金の相談、施設の補助申請など、研修中にほとんど決めることができました。

  
設定した目標について

 研修中に家族と何度も話し合いました(パワーポイントでプレゼンやりました!)
 まずは、農業だけで生活ができるような『農業』を目指すことでした。
①『貯金を食いつぶしながら3年目にやっと黒字』や、『昼は畑で夜はコンビニ店員』はしない。
②いろいろな品目はせずに、初期投資はできるだけ抑えることができる農業にする。
 その結果、たどり着いたのが、今取り組んでいる夏秋ピーマン栽培です。
 具体的な目標数値を以下に並べてみます。
   生活費(サラリーでいう手取りに相当) : 3,600,000円/年 (300,000円/月 )
   健康保険、年金、税金等         :  700,000円/年
   生産費(生産に必要な経費)       :  700,000円/年
      合  計                :  5,000,000円/年
       必要な売上高              :  8,500,000円/年
 大人3人子供2人の家族が農業をしながら暮らせる金額を上記に設定、労働力3人(家族のみで雇用なし)、夏秋ピーマン単一栽培の条件で現在の経営面積(20a)を決定しました。22年はおかげさまで目標の金額を達成できました。
  今後も基本はこの数値をきっちり抑えていける経営を目指します。
 自分としては大きな規模拡大や労働雇用などは考えておりません。
  土地と農業という職業とともに生活ができることが喜びであり目標です。