アグレッシュおおいた

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農業が教えてくれたこと
国東市
淵野 聡
淵野聡
 はじめに
 平成24年4月、私は農業へ転職するために会社を退職しました。国東市へ移住し農業研修を受け、翌年4月に夫婦で就農しました。 作物は七島藺(シチトウイ)というものです。主にへり無し畳、いわゆる琉球畳として使われます。ヘリ付きの畳にも使われますが、イグサとは別種の植物です。 これから農業研修1年、農業経営1年の間に私が感じたり学んだりしたことを大きく4つに分けて書きます。

1.「見る」のと「やる」のは違う 
 サラリーマン時代に1年間師匠の所へ行って作業を見学させてもらいました。師匠がスイスイ仕事をこなしている姿を見て私は、 「面白そう。自分にもできそうだ。」 と思いました。その後農業研修を開始し、色々な作業を教えていただきました。ですが、うまく作業がこなせません。肥料をまくことさえ師匠のようにできません。簡単そうに見えていたことは長年かけて無駄をそぎ落とした、洗練された動きだったのです。ほかにも目には見えない、師匠との体力の差などは、農作業をしないと分からないことでした。私は無駄な動きがたくさんあるので、今でも学び取ることはたくさんあります。何事もやってみないと本当のことは分からないと感じています。

2.手抜きした分、最後にしわ寄せが来る
 これは師匠から何度も口すっぱく言われていることです。七島藺は収穫後、畳表に加工しないと収入になりません。栽培時期にどこかで手を抜くと加工時期にそのしわ寄せが一気にやって来ます。例えば病気や害虫の防除を手抜きすると、病気跡や虫食いが多くなり製品として使える材料が激減します。最悪の場合、病気のせいで全滅もあり得ます。 また、加工時期に手を抜くと雑な製品ばかりできてしまい、品質が落ちます。頑張って時間をかけて製品を作った割には、最悪売り物になりません。 自分が栽培・加工したものは鏡だと思っています。作物や製品に対してどう向き合って来たかをとても正直に教えてくれます。

3.気の持ちようで天国にも地獄にもなる
作業がうまくこなせない、作業がきついなど苦しいことを挙げればきりがなく、どんな仕事でも辛くなってしまいます。
七島藺はほとんどの仕事が手作業です。苗床から株をクワで掘り起こし、株分けをして田んぼに手で植えます。収穫はカマを使って少しずつ刈り取ります。刈り取りは全体で約50aの田んぼを7月末~9月いっぱい約2カ月かけて行います(私の栽培分は10a)この時期は体力を使いますし、早朝から夜遅くまで色んな作業がびっしりあるので確かに大変です。しかし私達は手作業だから良さがあると感じています。私は師匠の流れるような動きに憧れ、自分もそうなろうと思っています。手作業を極めた農家ってかっこいいなと思うのでそれに向かって努力していけます。
「機械がないから不便で大変」
と思うより、とっても楽しいです。現に落ち込んだ状態で作業をすると効率も悪く、良い仕事ができないという経験もしました。
「どうせやるならとことん楽しむ」
をモットーにしています。

4.色んな人との出会いを大切に
農業の世界に入ってから、サラリーマン時代には接点がなかった分野の方々とお会いできるチャンスがたくさんできました。人に巡り合った分だけ色んな意見を聞くことができますし、中には今後の心の支えになる出会いもあります。世界が広がるチャンスがあれば、できる限り広げていきたいです。人と出会うことで自分が成長できると感じています。

いかがでしょうか。これから農業をやりたい方、始めた方など、少しでも色んな方々の参考になれば幸いです。長々と書きましたが、最後まで読んで下さってありがとうございます。

ステキな農民ライフを楽しみましょう。