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農業(自営業)は仕事と生活が一体となっていると思った
豊後大野市
橋本信宏
橋本信宏
1. はじめに

 役に立つことを書きたいなと思ったら、だいぶ厄介な内容になりました。
最初に書いておきますが、私は現在農業をしていることで充実した人生を送っていますし、他の人にすすめることが出来るほどいい感じです。

上記を前提にして読んでいただけるとうれしいです。

2. 就農して思う夫婦のあり方

ファーマーズスクールに2年通った後、就農したのが40歳のころ。
現在は夫婦就農して3年目を迎えました。
それ以前は東京で共働き、親との同居はなかったので二人暮らしでした。(ちなみに、就農後も二人暮らし)
東京で共働きとなると、休日以外はほとんど一緒に暮らしているとは言えない状況で、お互いの仕事のことはそれほど詳しくは知りませんでした。

それが農家になった今、私たち夫婦は24時間365日のほとんどを一緒に過ごし、同じ仕事を共有しています。

大分県に移住して農業を始める以前にそれを検討していた頃、私は就農相談や体験に出歩き、想定される農業収入や金銭的な生活設計などの計算は行っていました。
しかし、夫婦がずっと一緒で同じ環境にいる。一緒に仕事をするということについて、深くは考えていませんでした。

これが、思った以上の環境の変化になるとは気づかずに……。
(ちなみに、離婚危機などの問題は発生しておらず楽しくやっています。)

自営業以外のおおよその人々において、結婚相手を選ぶときの基準に仕事の相性を考えているという人は極めて少ないのではないでしょうか。
職場恋愛であれば、分かることもあるかもしれませんが、それでも農業は肉体労働ですから、その点に関してとなるとやはり難しいのではないでしょうか。

夫婦の協力が不可欠な自営業において、夫婦間の仕事に関する姿勢、肉体的及び精神的な健康状態への相互理解と配慮はとにかく重要です。
長い時間(生涯)をともに過ごす相手であるからこそ、そういった理解や協力よりも業務を優先してしまうと問題が蓄積され、将来の障害になってしまいます。
話は大きく戻りますが東京時代、紆余曲折はあったのですが、就農以前の私は一応管理職をしていました。その頃は自分が行っている事業と関係者のこと。何よりもお金がなくならないようにすることで頭がいっぱいで、自分のことを考える時間などありませんでした。

そんな中、自分のことを考える時間が欲しくなった私は転職を決意。その後の紆余曲折で現在の農業をすることになり、自分の人生について考え、行動することが出来るようになってきました。
ただ、同時に先に上げていた夫婦間の仕事観や労働限界の違いなどから、妻への理解も深める必要に迫られ、それを実践し経営と両立を模索する日々を送っています。

ここで簡単な例を1つあげてみます。
例えば、あなたやあなたの伴侶が家に帰ってきて、職場の愚痴を言っているとします。
それぞれの職務が無関係であれば、それはその場のストレス発散。話を聞き流したり、その気持に適当に理解を示せばよいでしょう。
でも、夫婦が同じ労働をするとき、職場への不満はすなわち伴侶への不満です。ここで不満を漏らしてもストレス発散にはなりません。必要なのは具体的な改善だけです。

先にも書きましたが、我が家は特に大きな問題には発展していません。大丈夫です。
悪くなる前に、この重要性に気が付き対処できれば大丈夫です。

そんな日々を送っていると、東京時代では及ばなかった領域まで深く考えるようになりました。世界が狭くなるというのも良いものです。その分、一つ一つを幅広く検討することができますし、狭い世界だからこそかえって世界や人類のことを考えたりしたりもします。

いまは東京時代より、人間的に成長できそうな気がしています。