アグレッシュおおいた

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成功する新規就農者
豊後大野市大野町 
栗田洋蔵
栗田洋蔵
ベテランと言われるようになりましたが・・・・

 平成3年度の事業で新規就農してからもう28年にもなり、年齢も66歳高齢者の仲間入りをしています。今や、継承に気をもむ日々になりました。
 私の体験は、おおよそ皆様のお役に立ちません。というのも、平成3年と言えばバブル絶頂の時代、何をやっても儲かる時代でした。ですので、今とは違って結構いい単価で販売できましたので、多額の借り入れをしていたにもかかわらず、就農当初はさておき、そんなにお金に困ることはありませんでした。設備も立派なもので、今作ったならば採算ベースに乗ることはありません。したがって、設備投資もしていません。知れば知るほど就農当初のように計算間違いをして夢見ることも出来なくなりました。明らかに進化が止まってきたのが分かります。そういう意味でも、次の世代にバトンタッチすることが必要だと思っているところです。

新規就農で成功するには

 アグレッシュおおいたは、平成14年に就農して10年経ち作業環境なども落ち着いてきたので、今までお世話になったお返しに、新規就農者の苦労を分かち合える場として設立しました。私も就農当初は「もうやめよう!」と思ったことは何度もあります。その中で、たまたま出会った新規就農仲間と話す機会があり、何の根拠もないのですが勇気づけられ明日への希望を見出した経験があります。
 実は、この時出会った新規就農仲間は、現在すべて離農しています。今のように充実した支援システムが無かったことも一因としてあります。
 では、どんな方が成功するのでしょうか。
 アグレッシュおおいたを長年運営する中で様々なケースに出会ってきました。
 はっきり言えることは、必ず成功する事例はありません。
 強いて言うならば、下記があります。
・就農時に十分な蓄えがあった。
・就農後も、農業外で定期的な収入がある。 
・借金をしていない。(保証人を立てられずに借り入れができない場合があります。)
お金にまつわる話ばかりですね。
唯一違うのが、新規就農のリードが奥さんだった。(やはり女性は強いのです。)
奥さんという言い方は古めかしいですが他に言いようを思いつかないので、あえてこの表現にしています。そうなんです、奥さんの協力(夫婦の共業)が大切なのです。

 失敗する事例の際たるものが、「奥さんが地域になじめないこと。」です。
 失敗する事例は多くあります。
・一人農業ははっきり言って無理です。(ハウスを建てる時、ビニールを向こう側で引っ張った貰えるだけでも作業効率は大きく違います。)
・友人同士も難しいです。(互いの立場が同等なことで意思統一がつかないようです。)
・農業収入だけで足りずにアルバイトをし、時間が取れなくなり農業の栽培が疎かになったり、睡眠時間を削って肉体的精神的なダメージが大きくなって、不幸な結果になってしまったこともあります。
(上手くいっているケースもあります。アルバイトというより兼業農家と言った方がいい方です。その方はの農業は最大のアウトドアライフだと言っていました。農場で作業することが娯楽だというのです。もちろん奥様の多大なる手助けがあったのは言うまでもありません。)
・内にこもってしまって、いつも行政やJAに対して不満を言っている人も、上手くいかないケースに多く見られます。苦しい時ほど、時間を何とか作って外に情報収集しに行くことが大切です。直接的に効果のある情報が得られることはまずありませんが、ほんの少しでも外を向く気持ちができれば道は開けるものだと実感しています。まずは、先輩のやり方を完全コピーできるまで真似して、習うことが必要でしょう。ともすれば先輩農家の中には、体系的に説明できない方も多くおられますが、そこは理解する力を着けるべきです。
 これもよく言っていることですが、農業は自営業、皆さん社長なのです。全ての責任を負う必要があります。「サラリーマンで上手くいかないから農業をする。」という考え方はありません。「都会の人間関係に疲れた。」ということもよくありません。田舎生活は人付き合いの連続です。なぜならば、隣の人が信用できなくなり、「もしかしたら畑に毒を蒔かれるかもしれない。」と想像した時、まともに農業ができると思いますか?持ちつ持たれつ、良好な人間関係を築くことは、リスクマネジメントとして大切なことです。
 ある程度農業で生計が立てられるようになると、「もうサラリーマンには戻りたくない。」と思うようになります。指示通りに動けば給料がもらえるサラリ-マンの方が楽そうですが、なぜでしょうね。

おわりに

 アグレッシュおおいたの合言葉は「農家になってよかった!」です。
先日、妻が友人と話していた時のことです。「今考えると就農当時は子どもも小さかったし、とても辛い思いをしていたはずなのに、思い出せない。辛いことは忘れるのよね。今は農業をしていてよかったと思うわ。」
嬉しいことを言ってくれました。